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聖母子と聖人たち (Madonna col Bambino fra i santi)
1633-1639年頃 | 285×188cm | 油彩・画布
アカデミア・エトルスカ美術館 |
ピエトロ・ダ・コルトーナを代表する宗教画のひとつ『聖母子と聖人たち』。画家名称の由来となった街コルトーナのサンタゴスティーノ聖堂のためにパッセリーニ家の依頼によって制作された本作の主題は、玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエスに洗礼者聖ヨハネや教皇聖ステファヌス等諸聖人を配した≪聖会話≫で、高尚な主題を過剰な画面構成を用い、極めて装飾的かつ優雅で華麗な表現で描かれるバロック様式の典型を為す、当時を代表する作品として広く知られている。また本作では教皇聖ステファヌスの纏う大外衣の十字架は聖ステパノ騎士団、洗礼者聖ヨハネが指差すマントはマルタ騎士団、聖大ヤコブはカラトラーヴァ騎士団を意味し、寄進者パッセリーニ家と各騎士団との深いつながりを巧みに作品の中へ示している。
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