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ディアナの水浴(狩りをするディアナ)
(Il bagno Diana (Caccia di Diana)) 1616-1617年
225×320cm | 油彩・画布 | ボルケーゼ美術館(ローマ) |
17世紀ボローニャ派を代表する画家ドメニキーノの神話画『ディアナの水浴(狩りをするディアナ)』。本来アルドブランディーニ枢機卿がティツィアーノが手がけたバッカナーレの続編として画家に注文するも、シピオーネ・ボルケーゼ枢機卿が強引に自分のものにしたという逸話も残されている本作に描かれるのは、ローマ神話からユピテルと巨人族の娘レトとの間に生まれた双子のひとり(もう一方は太陽神アポロ)で、多産や狩猟を象徴する地母神であり、純潔の象徴でもある女神≪ディアナ(ギリシア神話ではアルテミスと同一視される)≫の狩りの場面で、ドメニキーノ特有な温和で古典的な雰囲気の中に描かれる、輝くような肌の質感や官能性を含んだ女神やニンフらの表現が秀逸で、特に画面下部で水浴するニンフの甘美な眼差しや肢体などに代表される各箇所の濃密な表現や、風景画を思わせる森林や遠景の穏やかな表現は盛期ルネサンスの名画にも引けを取らない白眉の出来栄えである。本作に描かれる女神≪ディアナ≫は兄アポロと同じく狩りの名手として知られており、その手には弓と矢筒が、そしてディアナは月の女神でもあることから頭上には三日月が描かれている。
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