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笑う騎士 (Laughing Cavalier) 1624年頃
86×69cm | 油彩・画布 | ウォーレス・コレクション(ロンドン) |
17世紀に活躍した画家フランス・ハルスが1618年頃から1630年頃までおこなった様々な人々の豊かな表情を描写した代表的な作例のひとつ『笑う騎士』。騎士のモデルは現在も不明であるが誇らしい表情が非常に印象的な本作は、フランス・ハルスがこの頃盛んに描いた風俗的肖像画の中でも特に秀逸な出来栄えをみせる傑作で、速記的な筆跡によって豪華な衣服に刻まれるメリハリの効いた色彩模様の心地よさや、首周りや手首などレース部分の軽やかな表現、騎士の豊かで魅惑的な表情は描かれた当時から現代まで人々を魅了し続けている。なお『笑う騎士』の名称は1880年頃から呼称され始め、19世紀後半に台頭したロマン主義者たちによって名付けられたとされる。
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