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四人の福音書記者 (The Four Evangelists) 1625年頃
134×118cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
17世紀フランドルの画家ヤーコブ・ヨルダーンス作『四人の福音書記者』。ルイ16世のコレクションとして1784年にアントウェルペンから収蔵されることになった本作に描かれるのは、キリスト教に関わる者の中で新約聖書(福音書)の書記者として最も知られている四人の書記者たち、画面左から福音書記者でありイエス十二使徒のひとりでもある聖マタイと聖ヨハネ、そして前者らより一世代後の福音書記者である聖マルコ、聖ルカの像で、やや厳しい明暗対比による写実的描写によって、対象人物…つまり聖マタイ、聖ヨハネ、聖マルコ、聖ルカの人間性への内面へ迫る深い精神性が示されている。本作で四人の福音書記者たちは書見台の前に立ち執筆又は議論をおこなっている。この図像的展開は本主題≪四人の福音書記者≫における人間的表現の最も伝統的かつ典型的な図像であり、この図像を用いることで本作の宗教画としての意味と役割をも示しているのである。
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