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大人が歌えば子供が笛吹く 1638-1640年頃
(As the Old Sang, So the Young Pipe)
154×160cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
17世紀フランドルの画家ヤーコブ・ヨルダーンス中期を代表する傑作『大人が歌えば子供が笛吹く』。本作に描かれるのは、ヨルダーンスが最も好んだ風俗的主題のひとつ『大人が歌えば子供が笛吹く』で、家族(一族)でおこなう晩餐(祝宴)での娯楽という非常に庶民的な日常風景を題材とし、一族の長である祖父と祖母が機嫌よく歌を歌いだすと、その息子が民族楽器である袋笛(バグパイプ)を奏で、そのまた息子たち(孫)も幼いながら父を真似て袋笛を奏でる場面の登場人物たちの表情は、どれも個性的かつ陽気な雰囲気を感じさせる。この陽気な表情表現は画家の師で義父ともなった同地の画家アダム・ファン・ノールトからの強い影響を示している。また本作でこの一族は祖母の手にする用紙の記載から枢機卿フェルディナンドの勝利を祝う宴であることが判明しているほか、画面中央上部に掲げられる銘文にはラテン語で当時の諺「子は親の真似をする、親は子の言動に注意せよ」と訓戒が記されている。なお、現在までに同主題を描いた作品がアントウェルペン王立美術館や個人所蔵作品など三点確認されている。
関連:『大人が歌えば子供が笛吹く』 アントウェルペン版
関連:『大人が歌えば子供が笛吹く』 個人蔵版
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