■ |
神殿から商人を追い払うキリスト 1645-1650年頃
(Christ Driving the Moneychangers from the Temple)
288×436cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
ヤーコブ・ヨルダーンス屈指の宗教画のひとつ『神殿から商人を追い払うキリスト』。本作に描かれる主題は、エルサレムに入城した主イエスが、神の住まう祈りの家である神殿が両替屋や家畜売買人など商人たちで汚されていることを目撃し、怒りを覚え革の鞭を振るい神殿の前の商人らを外へと追い出す≪宮清め(神殿を清める)≫の場面で、登場人物が入り乱れる激しい運動性と深い陰影による劇的な感情表現が大きな特徴である。なお本作の主題≪宮清め(神殿を清める)≫は一般的にエルサレム入城後とされるも、各福音書では布教活動の初期や入城当日、入城翌日と三説が唱えられており、一部の神学者はこの≪宮清め(神殿を清める)≫が三度行なわれたとしている。
|