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ピーテル・パウル・ルーベンス (Rubens,Peter Paul)
2005/11/30掲載
【全体図】
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■
マリー・ド・メディシスの生涯
1621-1625年
(The Marie de Medicis Series)
各部分による | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
ルーベンスの画業における最大の大作『マリー・ド・メディシスの生涯』。本作は名門メディチ家出身でフランス王アンリ4世の2番目の妻マリー・ド・メディシス(イタリア語読みではマリア・デ・メディチ)の生涯を、建設中であった新居リュクサンブール宮殿を飾るため24枚からなる場面にて描いた作品で同人から直接の依頼により2年間という契約で制作された。本作において最も目を見張るのは、決して良き王妃ではなかったマリー・ド・メディシスの生涯を神話を題材とする寓意的なアプローチによって世俗的に陥ることなく見事母君としての正当性と尊厳を示したルーベンスの類稀な発想力と表現力であり、当時からこのような寓意的表現はされていたものの、ルーベンスと工房が手がけた本作の表現は、それらとは明らかに一線を画すものであった。また本作の完成後から2年後までに、暗殺されたフランス王アンリ4世の生涯を描くことも契約されていたが、一度和解していたものの、再燃したマリー・ド・メディシスとその息子でフランス国王となったルイ13世との抗争によって下絵のみの制作で留まった。
関連:
『マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸』
関連:
『アンリ4世とマリー・ド・メディシスのリヨンでの対面』
関連:
『サン=ドニ聖堂におけるマリー・ド・メディシスの戴冠式』
関連:
『ミネルヴァに扮したマリー・ド・メディシス』
【
マルセイユ上陸
の場面】
大作『マリー・ド・メディシスの生涯』の中で最も有名な場面のひとつ
『マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸』
。マリー・ド・メディシスとアンリ4世との代理結婚式の後に続く本場面は、マリー・ド・メディシスが初めてフランスの地へ降り立った重要な場面で、叔母であるトスカーナ大公妃と姉のマントヴァ公妃に伴われ、青いマントを羽織るフランス国の寓意に迎えられている。
【
リヨンでの対面
の場面】
代理結婚式であったマリー・ド・メディシスとアンリ4世が初めて面会した場面を描く
『アンリ4世とマリー・ド・メディシスのリヨンでの対面』
。ルーベンスはイタリア滞在中、マリーとアンリ4世の代理結婚式に出席しており、場面には自身の肖像を忍ばせている。
【
マリー・ド・メディシスの戴冠式
の場面】
『サン=ドニ聖堂におけるマリー・ド・メディシスの戴冠式』
。画面左部分には不妊であった為にアンリ4世と離縁した先妻マルグリット・ド・ヴァロワが一際ふくよかな姿で配されている。
【ミネルヴァに扮するマリーの姿】
『ミネルヴァに扮したマリー・ド・メディシス』
。決して良き王妃ではなかったマリー・ド・メディシスの生涯を神話を題材とする寓意的なアプローチによって、見事母君としての正当性と尊厳を示した画家の類稀な発想力と表現力は圧巻の一言。
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