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作品イメージ
homeページCollection常設展示バロック美術ピーテル・パウル・ルーベンス (Rubens,Peter Paul)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2006/02/01掲載
【全体図】
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パリスの審判 (The Judgement of Paris) 1632-35年頃
145×194cm | 油彩・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

ルーベンスが画家が最も多く描いた代表的な神話画『パリスの審判』。本作のほかにプラド美術館所蔵による『パリスの審判』を始め、七点以上もルーベンスが描いていたことが確認されているこの主題≪パリスの審判≫は、争いの女神エリスが最も美しい女神が手にするよう、神々の饗宴に投げ込んだ黄金の林檎をめぐり我こそはと立ち上がった、ユピテルの正妻で最高位の女神ユノと、愛と美の女神ヴィーナス、知恵と戦争の女神ミネルヴァの中から最も美しい女神を、主神ユピテルにより神々の使者メルクリウスの介添でトロイア王国の王子である羊飼いパリスが選定し審判する、古来より最も人気の高かった神話のひとつで、晩年期におけるルーベンスの特徴である牧歌的な雰囲気と豊満な肉体表現による女性美が見事に示されている。この≪パリスの審判≫では最も美しい女神に自身が選ばれるよう、女神ユノは広大な領土を、知恵と戦争の女神ミネルヴァは輝かしい戦勝を、愛と美の女神ヴィーナスは人間界における最高の美女スパルタ王妃ヘレネを与えると約束し、羊飼いパリスが愛と美の女神ヴィーナスを選んだ為にスパルタ王妃ヘレネは羊飼いパリスの愛によって連れ去られ、スパルタ王国とトロイア王国の間で彼のトロイア戦争が起こったとされている。

関連:プラド美術館所蔵『パリスの審判』


【最も美しい者を審判する羊飼いパリス】
三女神の中から最も美しい者を審判する羊飼いパリス。ルーベンスによる≪パリスの審判≫は本作のほかにプラド美術館所蔵による『パリスの審判』を始め、七点以上もルーベンスが描いていたことが確認されている。

【ユピテルの正妻で最高位の女神ユノ】
ユピテルの正妻で最高位の女神ユノ。アトリビュートである孔雀は女神ユノの足下に描かれており、自らが選ばれるよう羊飼いパリスに広大な領土を約束した。また女神ユノはギリシア神話でヘラと同一視される。

【愛と美の女神ヴィーナス】
愛と美の女神ヴィーナス。傍らには愛を示すエロス(キューピッド)の姿が描かれ、羊飼いパリスには人間界における最高の美女スパルタ王妃ヘレネを与えると約束し、羊飼いパリスはヴィーナスを選んだ為に、トロイア戦争が起こったとされている。またギリシア神話ではアフロディーテと同一視される。

【知恵と戦争の女神ミネルヴァ】
知恵と戦争の女神ミネルヴァ。ミネルヴァの背後にはアトリビュートである武具が描かれるほか、羊飼いパリスには輝かしい戦勝を約束した。ギリシア神話ではアテネと同一視される。

【行く末を暗示する復讐の女神アレクト】
この物語の行く末を暗示する復讐の女神アレクトの姿。本作は晩年期におけるルーベンスの特徴である牧歌的な雰囲気と豊満な肉体表現による女性美が見事に示されている。

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