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スルバラン (Zurbaran,Francisco de)
2006/02/15掲載
【全体図】
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聖マルガリタ
(Santa Margarita) 1635-40年頃
163×105cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー
スルバラン直筆による単身聖人像の代表的な作例のひとつ『聖マルガリタ』。本作はアンティオキア出身とされる十四救難聖人のひとりで、アンティオキア地の総督の求婚を受け入れなかったために拷問された後、斬首によって殉教した4世紀の聖女マルガリタの単身像を描いたもので、スルバランの特徴となる深い信仰心と静謐で落ち着きのある表現が見事に示されている。画家の大規模な仕事のひとつであった聖人単身像の制作は連作的に描かれた諸聖人単身像を始め、その大部分は弟子によって制作されたものの、本作はスルバラン自身が手がけたことが判明しており、非常に細密で写実的に描写される聖マリガリタの表情や衣服の表現は画家の力量の高さを示し、それは捕らえられた牢内で聖マリガリタを脅かすも十字架を掲げられ逃げ出した悪魔の化ける竜(一節には聖マリガリタは竜に飲み込まれるも、帯同していた十字架で竜の腹を裂き蘇ったとされている)にも同様に認められる。
【静謐で落ち着きのある聖マルガリタ】
深い信仰心と静謐で落ち着きのある聖マルガリタの表現。本作で描かれる≪聖マルガリタ≫は、アンティオキア出身とされる十四救難聖人のひとりで、アンティオキア総督の求婚を受け入れなかったために拷問された後、斬首によって殉教した4世紀の聖女とされるが、その実在に史的根拠がないため1969年に教会暦から除かれた。
【細密で写実的に描写される衣服】
画家の力量の高さを示す非常に細密で写実的に描写される聖マリガリタの表情や衣服の表現。画家の大規模な仕事のひとつであった聖人単身像の制作は連作的に描かれた諸聖人単身像を始め、その大部分は弟子によって制作されたものの、本作はスルバラン自身が手がけたことが判明している。
【聖マリガリタを脅かしたとされる竜】
伝承では捕らえられた聖マリガリタが牢内で悪魔の化けた竜に脅かされるも、十字架を掲げられ逃げ出したとされている(一節には聖マリガリタは竜に飲み込まれるも、帯同していた十字架で竜の腹を裂き蘇ったとされる)。また聖マルガリタは処刑場に向かう途中、竜の腹から蘇ったことから、陣痛に苦しむ妊婦を助けるよう神に祈ったとされることから、妊婦の守護聖人として多くの人々から厚く信仰された。
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