2009/02/23掲載
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女性大水浴図(Les Grandes baigneuses) 1900-05年頃132.5×219cm | 油彩・画布 | バーンズ・コレクション 明確な輪郭線で描かれるエロティックな裸婦の姿。本作は1900年から1905年頃にかけて連作的に制作された3点の≪女性大水浴図≫の大作の中の1点で制作年代や順番については諸説唱えられており、今なお議論が続けられている。
【明確な輪郭線で描かれる裸婦の姿】 地面に置かれた果物の入る籠。画面中央から左右に配される水浴の女性たちは重厚で肉感的に描かれており、そこにはセザンヌの原始的性格への回帰が強く感じられる。また女性たちの姿態も他の2作品と比較すると芝居染みたような印象を受けるほか、やや怪異的なエロティック性も見出すことができる。
【地面に置かれた果物の入る籠】 荒々しく多様性を強く感じさせる色彩表現。一部では暴力的とすら表現される力強く硬質的な裸婦の描写や荒々しく多様性を強く感じさせる色彩表現などは異質的ながら極めて強力な存在感を本作中で醸し出すことに成功している。
【荒々しく多様性を感じさせる色彩表現】 |