Description of a work (作品の解説)
2009/06/18掲載
Work figure (作品図)
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タンホイザー序曲(ピアノを弾く若い娘)


(Overture to Tannhäuser) 1868-69年頃
57×92cm | 油彩・画布 | エルミタージュ美術館

近代絵画の偉大なる画家ポール・セザンヌ初期の代表作のひとつ『タンホイザー序曲(ピアノを弾く若い娘)』。本作は19世紀ドイツの作曲家で、数多くの優れた歌劇(オペラ)を作曲したことから歌劇王とも呼ばれたヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーによる傑作≪タンホイザー(タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦)≫に着想を得て制作された作品で、完成後は画家の妹ローズへ贈られたことも知られている。後にアンブロワーズ・ヴォラールが妹ローズから購入することになる本作の名称ともなっている≪タンホイザー≫は、本作が手がけられる25年程前に作曲されたオペレッタで、騎士タンホイザーとテューリンゲン領主の娘エリザベトの悲恋の物語で、中世ドイツにおけるキリスト教の伝説的逸話を題材としている。様々な説が唱えられているものの、定説では画面中央から左側に描かれるピアノ用の編曲された≪タンホイザー≫を弾く上品でブルジョワ的な白い衣服を身に着ける若い娘は画家の妹ローザと、画面中央から右側に配される編み物をする中年の婦人は画家の母と考えられている。静謐感が漂う画面や、やや寂しげで陰鬱な雰囲気など、本作には若きセザンヌの模索的展開を強く感じさせるものの、真横から捉えられる妹ローザの垂直が強調される直線的な表現や、幾何的模様の導入などには、その後のセザンヌの絵画的方向性を見出すことができる。なおこの画題を手がけた作品は本作を含め数点知られており、一般的には本作がその最終作であると考えられている。


【全体図】
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ピアノ用に編曲されたタンホイザーを弾く画家の妹ローザ。本作は19世紀ドイツの作曲家で、数多くの優れた歌劇(オペラ)を作曲したことから歌劇王とも呼ばれたヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーによる傑作≪タンホイザー≫に着想を得て制作された作品である。



【タンホイザーを弾く画家の妹ローザ】
静かに編み物をおこなう画家の母。様々な説が唱えられているものの、定説では画面中央から左側に描かれるピアノを弾く上品でブルジョワ的な白い衣服を身に着ける若い娘は画家の妹ローザと、画面中央から右側に配される編み物をする中年の婦人は画家の母と考えられている。



【静かに編み物をおこなう画家の母】
画面最右手前に配される花柄の布。後にアンブロワーズ・ヴォラールが妹ローズから購入することになる本作の名称ともなっている≪タンホイザー≫は、本作が手がけられる25年程前に作曲されたオペレッタで、騎士タンホイザーとテューリンゲン領主の娘エリザベトの悲恋の物語で、中世ドイツにおけるキリスト教の伝説的逸話を題材としている。



【画面最右手前に配される花柄の布】

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