2009/07/13掲載
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頭蓋骨を前にした青年(Jeune homme à la tête de mort) 1896-98年 130.2×97.3cm | 油彩・画布 | バーンズ・コレクション
頭蓋骨を前に瞑想する端整な顔立ちの青年。本作は書物や書簡、頭蓋骨が置かれるテーブルに肘を突きながら瞑想する青年の姿を描いた人物画作品で、モデルについては画家の息子とする説も唱えられているものの、一般的には画家の知人の農婦の息子とされている。
【頭蓋骨を前に瞑想する端整な青年】 ≪メメント・モリ(死を忘れるな)≫を意味する頭蓋骨。頭蓋骨は古くからヴァニタス画(虚栄画)の主画題として用いられたモチーフであるが、老いた己が描き出す若き青年による死への夢想の姿や重々しい色彩など、そこには老いた画家自身の死に対する複雑な心境が色濃く反映されている。
【≪メメント・モリ≫を意味する頭蓋骨】
垂直性が強調されるテーブルの構成。1880年代後半以降の画家の作品の大きな特徴である強調された垂直性や、視覚的感覚や認知性を意識した構図、構成など絵画作品としての価値に対する意図が本作には込められている。
【垂直性が強調されるテーブルの構成】 |