Description of a work (作品の解説)
2009/04/30掲載
Work figure (作品図)
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アルルの病院の庭(アルルの療養院の庭)


(Le jardin de la maison de santé à Arles) 1889年
73×92cm | 油彩・画布 | オスカー・ラインハルト・コレクション

後期印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ作『アルルの病院の庭(アルルの療養院の庭)』。本作はゴーギャンとの共同生活の果てに起こした、所謂≪耳切り事件≫後、精神の危機(著しい妄想)によって12月末から翌年の3月末までアルルの市立病院へ2度入院したゴッホが、2度目の退院した後(1889年4月)に同病院の庭を描いた作品である。アルル市立病院へ入院した時の担当医であったフェリクス・レー医師は入院中のゴッホに絵を描く許可を与え回復を試みており、ゴッホ自身も描くことで復調の兆しを示していた。そのような状況にあった当時のゴッホのお気に入りの画題でもあった病院の庭の中央には小さな噴水が設置されており、その周囲へは美しい花壇が八方に分けられながら手入れされている(これは今現在も変わらない)。本作では庭の情景をやや斜めの視点で的確に捉えながら、画面手前の左右へ配される二本の木々と、その間の背の低い4本の植木が垂直を強調しながら(画面内へ)絶妙な動きを与えている。さらに画面奥の病院施設(建物)の二段の廊下の壁面と複数の柱に用いられた明瞭な色彩が本作へ(画家の希望的心象すら思わせる)庭に植えられた花々の生命感をより強調している。


【全体図】
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病院の庭を行き交う看護人の姿。本作はゴーギャンとの共同生活の果てに起こした、所謂≪耳切り事件≫後、精神の危機(著しい妄想)によって12月末から翌年の3月末までアルルの市立病院へ2度入院したゴッホが、2度目の退院した後(1889年4月)に同病院の庭を描いた作品である。



【病院の庭を行き交う看護人の姿】
中央へ配される噴水と美しい花壇。当時のゴッホのお気に入りの画題でもあった病院の庭の中央には小さな噴水が設置されており、その周囲へは美しい花壇が八方に分けられながら手入れされている(これは今現在も変わらない)。



【中央へ配される噴水と美しい花壇】
明確に色彩的対比が施された廊下の内部と支柱。画面奥の病院施設(建物)の二段の廊下の壁面と複数の柱に用いられた明瞭な色彩が本作へ(画家の希望的心象すら思わせる)庭に植えられた花々の生命感をより強調している。



【色彩的対比が施された廊下内部と支柱】

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