2007/09/06掲載
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アルジャントゥイユ(Argenteuil) 1874年頃149×115cm | 油彩・画布 | トゥールネ美術館
女に寄り添いボート遊びを誘う男。1875年のサロンに出品された唯一の作品である本作に描かれるのは、パリの北西の街で、当時流行した舟遊び場としても著名であったセーヌ河沿いの≪アルジャントゥイユ≫に集う男女の姿である。
【女に寄り添いボート遊びを誘う男】
無関心な表情を浮かべる女。男はボート遊びの後の(肉体的)快楽を期待し女を誘っているが、女なそんな男の安易な思惑を見越しているかのような態度である。本作には舟遊び場での男と女、それぞれの狙いや考えが画家の辛辣な観察眼によって鋭く描写されている。
【無関心な表情を浮かべる女】
大ぶりの筆触によって描写される花束。平面性を強調した二次元的な画面構成に大ぶりの筆触によって描写される登場人物や船、水面などの構成要素の表現は当時のマネの表現様式を考察する上でも、優れた一例である。
【大ぶりの筆触によって描写される花束】 |