Description of a work (作品の解説)
2007/08/14掲載
Work figure (作品図)
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サン=ドニ街、1878年6月30日の祝日


(La rue Saint-Denis, fête de 30 Juin 1878) 1878年
76×52cm | 油彩・画布 | ルーアン美術館

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネの作品のひとつ『サン=ドニ街、1878年6月30日の祝日』。1877年に開催された第3回印象派展への出品され、好評を博したと伝えられる作品である本作に描かれるのは、パリ万国博覧会の関連として、パリ・コミューン後、政治体制が第三共和制となったフランスで初めての国民の祝日を祝うサン=ドニ街の情景である。政府の推奨によって市民らが窓辺に掲げたサン=ドニ街を彩る無数のフランス国旗(三色旗)は、モネ(そして印象派の画家ら)独特の素早く荒々しい筆触によって描写されており、画面右部中央に配される三色旗の白地部分に「フランス万歳(VIVE LA FRANCE)」と記されているよう、祝日の興奮的な喧騒の様子が見事に表現されている(パリ・コミューン以後、国民は街中で群がることを禁止されていた為、この祝日は国民に歓迎された)。晴天のサン=ドニ街にはためく無数の三色旗は形体が崩れ、左右の建物の壁の色に際立つ色彩の坩堝と化している。大通りを闊歩する万国博覧会を訪れた観光客とパリ市民らの混雑の様子も画面下部で描かれている。また画面中央から上下で明確に分かれる光の描写にも注目したい。なおモネがこの祝日の熱狂的な情景を描いた作品として、本作である≪サン=ドニ街≫版と、オルセー美術館が所蔵する≪モントルグイユ街≫版の2作品が知られており、双方とも労働者階級が住まう街であった。

関連:モネ作 『モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日』


【全体図】
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サン=ドニ街を彩る無数のフランス国旗(三色旗)。1877年に開催された第3回印象派展への出品され、好評を博したと伝えられる作品である本作に描かれるのは、パリ万国博覧会の関連として、パリ・コミューン後、政治体制が第三共和制となったフランスで初めての国民の祝日を祝うサン=ドニ街の情景である。



【サン=ドニ街を彩る無数の三色旗】
サン=ドニ街の大通りを闊歩する万国博覧会を訪れた観光客とパリ市民。政府の推奨によって市民らが窓辺に掲げたサン=ドニ街を彩る無数のフランス国旗(三色旗)は、画家独特の素早く荒々しい筆触によって描写されている。



【大通りを闊歩する観光客とパリ市民】
「フランス万歳(VIVE LA FRANCE)」と記された三色旗。晴天のサン=ドニ街にはためく無数の三色旗は形体が崩れ、左右の建物の壁の色に際立つ色彩の坩堝と化しており、祝日の興奮的な喧騒の様子が見事に表現されている。



【「フランス万歳」と記された三色旗】

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