Description of a work (作品の解説)
2007/04/02掲載
Work figure (作品図)
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積みわら、夕陽(積みわら、日没)


(Meules, soleil couchant) 1890-1891年
73×92cm | 油彩・画布 | ボストン美術館

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネが後年に手がけた有名な連続作品のひとつ『積みわら、夕陽(積みわら、日没)』。本作は、画家が1888年頃から手がけ始めた≪積みわら≫を描いた一連の作品群の中の一枚で、この頃の連作群で画家が一心に取り組んだ、(同一の)対象が刻々と変化してゆく様≪状態性≫、風景を特徴つける要因の時間軸≪瞬間性≫、周囲を包む光の効果≪大気性≫がよく表れている。特に大ぶりの筆触や強く残される筆跡と大胆でありながら繊細さを感じさせる色彩によって表現される、積みわらが日没の陽光によって変化する状態、そして、それらを包む大気と光の様子の描写は、他の積みわらにはない壮観さを醸し出しているほか、夕日の中の積みわらの(光の効果による)おぼろげな印象が見事に示されている。また本作の数年前(1888-1889年)に手がけられた『ジヴェルニーの積みわら、夕陽』らの作品群とは異なり、対象(積みわら)へより接近した視点から描かれており、積みわらと周囲の風景とが溶け合うかのような均一的な光の全体の統一感は、この頃の積みわら作品の大きな特徴である。

関連:埼玉県立近代美術館 『ジヴェルニーの積みわら、夕陽』


【全体図】
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おぼろげな積みわらの輪郭。本作は、画家が1888年頃から手がけ始めた≪積みわら≫を描いた連作群の中の一枚で、この頃の画家が一心に取り組んだ、(同一の)対象が刻々と変化してゆく様≪状態性≫、風景を特徴つける要因の時間軸≪瞬間性≫、周囲を包む光の効果≪大気性≫がよく表れている。



【おぼろげな積みわらの輪郭】

積みわらへ逆光気味にかかる陽光。対象(積みわら)へより接近した視点から描かれており、積みわらと周囲の風景とが溶け合うかのような均一的な光の全体の統一感は、この頃の積みわら作品の大きな特徴である。



【積みわらへ逆光気味にかかる陽光】

大胆でありながら繊細さを感じさせる色彩。大ぶりの筆触や強く残される筆跡などによって表現される、積みわらが日没の陽光によって変化する状態や、それらを包む大気と光の様子の描写は、他の積みわらにはない壮観さを醸し出しているほか、夕日の中の積みわらのおぼろげな印象が見事に示されている。



【大胆ながら繊細さを感じさせる色彩】

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