Description of a work (作品の解説)
2008/07/27掲載
Work figure (作品図)
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陽を浴びるポプラ並木(ポプラ、三本の木、夏)


(Les trois Arbres, été) 1891年
93×73.5cm | 油彩・画布 | 国立西洋美術館(東京)

印象派最大の巨匠のひとりであるクロード・モネを代表する連作群『ポプラ並木』より『陽を浴びるポプラ並木(ポプラ、三本の木、夏)』。本作はモネが1891年の初夏頃から翌年までの期間、集中的に取り組んだ≪ポプラ並木≫を画題とした一連の作品群の中の一点で、画面中央から左側にかけて画面を突き抜ける三本のポプラの木が描かれているのが大きな特徴である。本作は蒼々と葉が茂るポプラの枝や清涼感に溢れる清々しい空などの様子からも連作の開始当初となる1891年の夏に描かれた作品であることがよく分かるが、その表現においても特に注目すべき点が多い。前記したよう画面左側には三本の印象的なポプラの木が配されており、その後ろにはポプラ並木がS字曲線で遠景へと続いている。三本のポプラの根元には美しい緑色が画面の中で映える草が斜めに描かれており、その様子は風に靡いているかのようである。さらに画面下部にはエプト川が流れており、本風景を反射している。やや荒々しく闊達な筆触で全体が処理されているが、その描写は何れもポプラ並木や草々、空と雲、エプト川の豊かな表情の瞬間を見事に捉えており、モネの様式的特性がよく表れている。また青色、黄色、緑色、白色、そして若干の朱色と桃色が用いられる本作の輝くような色彩表現は、観る者に本情景の魅力を的確に伝えることに成功している。なお本作とほぼ同様の構図ながら秋頃(ポプラの葉が黄金色に紅葉している)に制作された作品『ポプラ並木、秋(ポプラ、三本のバラ色の木、秋)』がフィラデルフィア美術館に所蔵されている。

関連:『ポプラ並木、秋(ポプラ、三本のバラ色の木、秋)』


【全体図】
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蒼々と葉を茂らせるポプラの木。本作はモネが1891年の初夏頃から翌年までの期間、集中的に取り組んだ≪ポプラ並木≫を画題とした一連の作品群の中の一点で、画面中央から左側にかけて画面を突き抜ける三本のポプラの木が描かれているのが大きな特徴である。



【蒼々と葉を茂らせるポプラの木】

風に靡くエプト川沿いの草。本作は蒼々と葉が茂るポプラの枝や清涼感に溢れる清々しい空などの様子からも連作の開始当初となる1891年の夏に描かれた作品であることがよく分かるが、その表現においても特に注目すべき点が多い。



【風に靡くエプト川沿いの草】

青空を反射するエプト川。やや荒々しく闊達な筆触で全体が処理されているが、その描写は何れもポプラ並木や草々、空と雲、エプト川の豊かな表情の瞬間を見事に捉えており、モネの様式的特性がよく表れている。



【青空を反射するエプト川】

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