2007/03/13掲載
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散歩、日傘をさす女性(La promenade, La femme à l'ombrelle) 1875年 100×81cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー 関連:クロード・モネ作 『戸外の人物習作(右向き)』 関連:クロード・モネ作 『戸外の人物習作(左向き)』
ヴェールによって遮蔽されるおぼろげな妻カミーユの表情。日傘を手に観る者と視線を交わすカミーユの顔は、自然風の中でなびくヴェールによって遮蔽されている。この面紗(ヴェールの意)の自然的な運動による瞬間的な印象性を描き出すことによって、草原に立つ女性を観る者は面影として捉えるため、強く心象に残り、かつ神秘的にすら感じるのである。
【おぼろげな妻カミーユの表情】
日傘をさす女性に寄り添う幼児は妻カミーユとの間に生まれた長男ジャンをモデルに描かれた。第二回印象派展に出典された本作は、画家が当時滞在していたアルジャントゥイユの草原に立ち日傘をさす女性と幼児を描いたもので、妻カミーユ・ドンシューと長男ジャン(当時5歳)をモデルに制作されている。
【日傘をさす女性に寄り添う幼児】
爽やかで心地よい感覚を観る者に与える色彩。画面の大部分を構成する青色、白色、緑色、黄色などの色彩は、自然と触れ合うことによって感じる爽やかで心地よい感覚を観る者に与えるのである。
【心地よい感覚を観る者に与える色彩】 |