Description of a work (作品の解説)
2007/10/20掲載
Work figure (作品図)
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アルジャントゥイユの橋

(Port routier, Argenteuil) 1874年
60.5×80cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠クロード・モネのアルジャントゥイユ居住時代の代表的作例のひとつ『アルジャントゥイユの橋』。本作はパリの北西、セーヌ川右岸にあるイル=ド=フランス地方の街≪アルジャントゥイユ≫にある橋の情景を描いた作品で、クロード・モネは1871年12月からアルジャントゥイユ滞在し、その美しい風景(主に川の情景)に魅了され、以後、精力的に手がけているが、本作はその中でも色彩分割による印象主義的表現の完成度が非常に高い作品としても知られている。プティ・ジェヌヴィリエ川岸の貸しボート小屋の近くからの視点で制作された本作で最も注目すべき点は、水面に映るアルジャントゥイユの橋や木々や空、対岸のカフェなどの影の表現にある。本作で用いられる色彩分割(絵具を混合させない筆触分割)技法は、明確な形状や描くには適さないものの、その形象を表現するのには非常に効果的な技法であり、本作の水面に映る影の描写は特に秀逸の出来栄えを示してる。また本作の明瞭な色彩による光の表現や瑞々しいアルジャントゥイユの風景の描写も大きな見所のひとつである。画家は本画題を複数制作しており、ワシントン・ナショナル・ギャラリー(該当作品)を始めとした世界の美術館が所蔵している。なお2007年10月8日未明に若者の男女5人が本作を所蔵するオルセー美術館へ侵入し、本作の橋脚部分下部を約10cm破損させたという事件が起こったものの、後日、犯人は逮捕されたほか、現在は作品の修復がおこなわれている。

関連:『アルジャントゥイユの道路橋』


【全体図】
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プティ・ジェヌヴィリエ川に架かる橋。本作はパリの北西、セーヌ川右岸にあるイル=ド=フランス地方の街≪アルジャントゥイユ≫にある橋の情景を描いた作品で、印象主義的作品の代表的作例としても知られている。



【プティ・ジェヌヴィリエ川に架かる橋】

川に浮かぶボート。プティ・ジェヌヴィリエ川岸の貸しボート小屋の近くからの視点で制作された本作で最も注目すべき点は、水面に映るアルジャントゥイユの橋や木々や空、対岸のカフェなどの影の表現にある。



【川に浮かぶボート】


参考:『アルジャントゥイユの橋』破損部分
色彩分割(絵具を混合させない筆触分割)による水面の卓越した描写。色彩分割は明確な形状や描くには適さないものの、その形象を表現するのには非常に効果的な技法である。



【色彩分割による水面の卓越した描写】

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