2009/04/02掲載
■
しだれ柳(Le Sule Pleureur) 1918-19年頃100×120cm | 油彩・画布 | マルモッタン美術館(パリ) 関連:オルセー美術館所蔵 『しだれ柳』
紫色や桃色が用いられるしだれ柳の幹。本作がモネが晩年期に手がけた睡蓮以外の代表的な単一画題による連作の中の1点で、自宅兼アトリエとして住んでいたジヴェルニーの邸宅の庭に植えた≪しだれ柳≫を描いた作品である。
【紫色や桃色が用いられるしだれ柳の幹】
陽光の生命力を感じさせる緑黄色。画面からはみ出さんばかりの大きさで描かれる一本のしだれ柳は、枝葉をその名の如く緩やかに撓らせながら大地に近接するほど垂れ下げ、身をくねらせながらも天へと伸びる柳の幹は枝葉の色彩と対比させるかのように紫色や桃色に近い色彩で表現されている。
【陽光の生命力を感じさせる緑黄色】
光そのものの透明感を感じさせる蒼白い柳の葉。観る者は画面右側の緑黄色が映える柳の葉には陽光の生命力に溢れる暖かさを、画面左側の蒼白く輝く柳の葉には光そのものの透明感を見出すことができる。
【透明感を感じさせる蒼白い柳の葉】 |