2008/04/21掲載
■
ファウスト:第一幕(Scène de Faust) 1878-1882年頃43×58cm | 油彩・板 | 個人所蔵
真紅の衣装に身を包む悪魔メフィスト。本作に描かれるのは、17-18世紀最大のヨ劇作家ハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの最も著名な戯曲≪ファウスト≫中、第1幕の舞台、ライプツィヒのアウエルバハの酒場で誘惑の悪魔メフィストが酒神バッコスの唄を歌う場面である。
【真紅の衣装に身を包む悪魔メフィスト】 左手で悪魔メフィストの腕を掴む老学者ファウスト。当時、グノーが作曲したオペラ≪ファウスト≫の人気が高くなり、それと合わせる様に同戯曲を描いた絵画作品の注文も多くなっていたという背景も手伝い、モンティセリは≪ファウスト≫を画題とした作品を数多く制作している。
【メフィストの腕を掴む老学者ファウスト】
若く美しい娘マルグリートの姿(幻影)。ファウストと魂の契約を目論む悪魔メフィストが、若返りを望む老学者ファウストの朽ち果てた若い恋心を呼び起こすためにファウストに若く美しい娘マルグリートの姿(幻影)を見せ、ファウストは一目惚れしてしまう。
【若く美しい娘マルグリートの姿】
鮮烈な原色による色彩表現。本作の赤色(悪魔メフィスト)、緑色(老学者ファウスト)、黄色(娘マルグリート)、青色(空などの背景)と明確に色分けされた鮮やかな原色の強烈で新鮮な色彩の美しさは、画家の全作品の中でも特に優れたものとして広く認知されてる。
【鮮烈な原色による色彩表現】 |