2008/05/29掲載
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レダ(Leda) 1875-1880年頃50.2×28cm | 油彩・板 | 個人所蔵(日本)
悩ましい表情を浮かべるレダの姿。本作に描かれるのは、恋をした主神ユピテルが白鳥に姿を変えて求愛した神話でも知られる、アイトリア王テスティオスの娘で、後にスパルタ王テュンダレオスの妻となった(人間界の)絶世の美女≪レダ≫の姿である。
【悩ましい表情を浮かべるレダの姿】 最も明瞭に描写されるレダの輝くような裸体。女性関係に節度がなかった画家が結婚を望むほど想いを寄せていたエマ・リカールの顔と、愛人関係にもあった女中オーギュステーヌの豊満な肉体を組み合わせ、モンティセリは自身が理想とする≪レダ≫を本作で表現した。
【輝きに満ちたレダの豊満な裸体】
荒々しい筆触によって表現される白鳥に姿を変えた主神ユピテル。レダの右手は主神ユピテル(白鳥)の背中へそっと触れるかのように描かれており、愛を受け入れ愛撫を重ねる両者のエロティックで緊密な関係性からも、モンティセリの本作に対する想いの深さを見出すことができる。
【白鳥に姿を変えた主神ユピテル】 |