2008/03/31掲載
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ドン・キホーテ(Don Quichotte) 1883-1885年頃38×46cm | 油彩・板 | 個人所蔵 関連:『ドン・キホーテとサンチョ・パンサ』 関連:『牛の番人(ドン・キホーテ)』
丘の上の風車へと向かうドン・キホーテ。本作はスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスは17世紀初頭に書き上げた、世界的に著名な騎士物語小説≪ドン・キホーテ≫を典拠に得て、同小説の一場面の中から最も有名な場面である≪風車への突入≫を描いた作品である。
【丘の上の風車へと向かうドン・キホーテ】
丘の上にそびえる異様な雰囲気の風車。逆光気味に描かれる風車は影に覆われ輪郭のみが浮かび上がっているものの、影に覆われることによって異様な存在感を醸し出しており、この勝負の結末(ドン・キホーテは風車の風に吹き飛ばされ敗北する)を暗示しているかのようにも感じられる。
【丘の上に聳える異様な雰囲気の風車】
より太く明確になった画家独特の筆触。絵具そのものの重々しくも、画家の(そして観る者の)内面へと迫ってくるかのような質感や、奔放ながらどこか自然的な光や情景を感じさせる触感は、≪ドン・キホーテ≫の持つ人間性豊かな世界観と不思議な調和をみせている。
【より太く明確になった画家独特の筆触】 |