Description of a work (作品の解説)
2007/07/08掲載
Work figure (作品図)
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テアトル・フランセ広場、雨の効果


(La Place du Théâtre Français, effet de pluie) 1898年
73.6×91.4cm | 油彩・画布 | ミネアポリス美術研究所

印象派の巨匠カミーユ・ピサロ1890年代を代表する都市風景作品のひとつ『テアトル・フランセ広場、雨の効果』。本作はピサロが1897年から借り創作活動をおこなったパレ・ロワイヤル広場に面したホテル≪グラン・ドレル・デュ・ルーヴル(グランド・ホテル・デ・ルーヴル)≫の一室から眺めたパリの風景を連作的に描いた作品の中の1点である。「雨の効果」と題されるよう、本作に描かれるテアトル・フランセ広場やサン・トレノ街、そしてオペラ座通りへと続く路面は雨に打たれ、鏡のように街や行き交う人々を反射し路面に映し出している。ピサロはこの≪テアトル・フランセ広場≫の連作を手がけるにあたり「私はグラン・ドレル・デュ・ルーヴルに部屋を借りオペラ座通りとパレ・ロワイヤル広場の見事な一画を見下ろしている。この風景はすばらしい。確かにこの風景は美的とは言い難いかもしれない。しかしこうしたパリの景観を描けるということがどんなに幸せか!人々は醜いと言うが、これらパリの通りの景観は銀色に輝き、光と活気に満ちている。これらは完全な近代化された都市景観なのだ。」と言葉を残している。画家の言葉にあるよう幾多の馬車や人々が行き交う通りの喧騒とした風景は、画家の手計算された構図によってひとつの(パリの)都市風景として完成された美しさを見せている。また画面奥ではオペラ座へと続く道には二列の行列が確認でき、当時の日常的情景を本作で感じることができる。なおパリのテアトル・フランセ広場を描いた作品は本作以外に『パリ、テアトル・フランセ広場』を始め8点確認されている。

関連:エルミタージュ美術館所蔵 『パリ、テアトル・フランセ広場』


【全体図】
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水溜りに反射するパリの景観。「雨の効果」と題されるよう、本作に描かれるテアトル・フランセ広場やサン・トレノ街、そしてオペラ座通りへと続く路面は雨に打たれ、鏡のように街や行き交う人々を反射し路面に映し出している。



【水溜りに反射するパリの景観】
オペラ座へと続く道の二列の行列。本作はピサロが1897年から借り創作活動をおこなったパレ・ロワイヤル広場に面したホテル≪グラン・ドレル・デュ・ルーヴル≫の一室から眺めたパリの風景を連作的に描いた作品の中の1点である。



【オペラ座へと続く道の二列の行列】
歴史を感じさせるパリ市内の建築物。画家の言葉にあるよう幾多の馬車や人々が行き交う通りの喧騒とした風景は、画家の手計算された構図によってひとつの(パリの)都市風景として完成された美しさを見せている。



【オペラ座へと続く道の二列の行列】

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