Description of a work (作品の解説)
2008/03/06掲載
Work figure (作品図)
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カーニバルの晩

 (Un soir de carnival) 1886年
116×89cm | 油彩・画布 | フィラデルフィア美術館

素朴派の巨匠アンリ・ルソー作『カーニバルの晩(カーニバルの夜、カーニバルの夕べ)』。1886年に開催された第2回アンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)への出品作である本作は、現存する画家の同展への最初期の作品として知られている。本作に描かれるのはカーニバルの夜に散歩するピエロとコロンビーヌに扮した男女であるが、現存する最初期の作品であるにも係わらず、本作からはルソーが既に独自の絵画表現や世界観を確立していたことを窺い知ることができる。画面下部ほぼ中央に配される仮装した男女は腕を組みながら夜(又は夕暮れ)の森を歩いている。その周辺にはシルエットのみで構成される平面的で影絵のような背の高い木々が枝を広げて、あたかも本場面を静寂と深淵で包むかのように鬱蒼と聳えている。また夜空には、これもルソー作品には馴染みの深い満月が静かに輝いている。単純な構図や絵画展開であるものの、画家独特の色彩の使用や、細密画を思わせる葉のない木々の細い枝の複雑な描写に、ルソーの画家としての確固たる自覚が感じられる。


【全体図】
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カーニバルの夜の森を散歩する男女。1886年に開催された第2回アンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)への出品作である本作は、現存する画家の同展への最初期の作品として知られている。



【カーニバルの夜の森を散歩する男女】
影絵のような背の高い木。本作に描かれるのはカーニバルの夜に散歩するピエロとコロンビーヌに扮した男女であるが、現存する最初期の作品であるにも係わらず、ルソーが既に独自の絵画表現や世界観を確立していたことを窺い知ることができる。



【影絵のような背の高い木】
夜空で静かに輝く満月。シルエットのみで構成される平面的で影絵のような背の高い木々が枝を広げて、あたかも本場面を静寂と深淵で包むかのように鬱蒼と聳えているほか、夜空には、これもルソー作品には馴染みの深い満月が静かに輝いている。



【夜空で静かに輝く満月】

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