Description of a work (作品の解説)
2004/09/10掲載
Work figure (作品図)
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 (Le rêve) 1910年
204.5×298.5cm | 油彩・画布 | ニューヨーク近代美術館

素朴派を代表する画家アンリ・ルソー随一の代表作『夢』。本作は国外へ旅行したことがなかったルソーが、想像力と独特の観察眼によって制作した大作であり、1910年にアンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)へ出品され、多くの批評家らから賞賛を受けた作品である。同展へ出品された際、イタリア出身の詩人ギヨーム・アポリネール(ポーランド人)による次の詩が添えられたことが知られている。「甘美な夢の中のヤドヴィガ、いとも安らかに眠りへと誘われ、蛇使いの吹く笛の音を聴き、その瞑想を深く胸に吸い込む。そして緑燃える木々の波の上では、月影がきらめき、野生の蛇たちは、曲の陽気な調べに耳傾ける」。ヤドヴィガとは画家が数年前に恋焦がれていたポーランド人女性の名前であり、画家自身の言葉によると「このソファーの上で眠る女は森の中に運ばれて、蛇使いの笛の音を聴く夢を見ているのだ。」とソファーに横たわるヤドヴィガについて解説している。本作に描かれる動植物は雑誌や書籍、動・植物園などに何度も足を運び、観察を重ねて描かれたものであるほか、本作ではルソー作品に通ずる緑色を多用した独特の静謐な世界観が画面全体を夢想的に支配しており、本作の不可思議で幻惑的な雰囲気は観る者を強く魅了する。なお本作は画商ヴォラールからニューヨークのジャニス画廊に入り、その後、大富豪ロックフェラー家が所有し、ネルソン・A・ロックフェラーによってMoMA(ニューヨーク近代美術館)へと寄贈された。


【全体図】
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ソファーに横たわるヤドヴィガ。1910年にアンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)へ出品され、多くの批評家らから賞賛を受けた作品である本作には、ポーランド人の詩人ギヨーム・アポリネールによる詩が添えられたことが知られている。



【ソファーに横たわるヤドヴィガ】
ジャンクルの植物とそこに潜む動物たち。本作に描かれる動植物は雑誌や書籍、動・植物園などに何度も足を運び、観察を重ねて描かれたものであるほか、本作では緑色を多用した独特の静謐な世界観が画面全体を夢想的に支配している。



【観察を重ね描かれた動物】
柔らかな光で闇夜を照らす月明かり。画家自身の言葉によると「このソファーの上で眠る女は森の中に運ばれて、蛇使いの笛の音を聴く夢を見ているのだ。」とソファーに横たわるヤドヴィガ(ヤドヴィガとは画家が数年前に恋焦がれていたポーランド人女性の名前)について解説している。



【柔らかな光で闇夜を照らす月明かり】

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