Description of a work (作品の解説)
2007/10/02掲載
Work figure (作品図)
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肌色と緑の夕暮れ(肌色と緑の薄暮):バルパライソ


(Crepuscule in Flesh Colour and Green : Valparaíso)1866年
58.6×75.9cm | 油彩・画布 | テート・ギャラリー(ロンドン)

印象主義時代に活躍した画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーが1860年代に手がけた風景画の代表的作例のひとつ『肌色と緑の夕暮れ(肌色と緑の薄暮):バルパライソ』。本作に描かれるのは画家が1866年に訪れた南米の滞在地のひとつで、チリの首都サンティアゴに近い港町バルパライソの船溜場と推測され、描く為に予め画材(絵具の色)を用意していたホイッスラーが一夜で完成させたとされている。本作が描かれた頃、バルパライソはスペイン軍(小船隊)によって包囲・砲撃されるという事件が起こっていたものの、本作では戦闘など生々しい出来事が起こった(又はこれから起こる)ことを想像するのが難しいほど、幻想的な黄昏の雰囲気が画面内を支配している。本作で最も注目すべき点は、その魅惑的な色彩の表現にある。画家が名称に付けるよう、幾艘もの船舶を浮かべる青みがかった深く多様な緑色の海面は、色彩が溶け合うかのような独特の色合いを見せている。また紫色に輝く雲間から覗く夕暮れの薄い陽光の輝きは、本作を観る者に一際強く(風景の)印象を与えている。表現手法としても素早く能動的な筆触によって一気に仕上げられた空の描写などは、刻々と変わりゆく空の微妙な表情や色彩の変化を見事に捉えている。


【全体図】
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海面に浮かぶ船舶。本作に描かれるのは画家が1866年に訪れた南米の滞在地のひとつで、チリの首都サンティアゴに近い港町バルパライソの船溜場と推測され、描く為に予め画材を用意していたホイッスラーが一夜で完成させたとされている。



【海面に浮かぶ船舶】
幻想的な黄昏の雰囲気の空。本作で最も注目すべき点は、その魅惑的な色彩の表現にあり、画家が名称に付けるよう、幾艘もの船舶を浮かべる青みがかった深く多様な緑色の海面は、色彩が溶け合うかのような独特の色合いを見せている。



【幻想的な黄昏の雰囲気の空】
素早く能動的な筆触。紫色に輝く雲間から覗く夕暮れの薄い陽光の輝きは、本作を観る者に一際強く(風景の)印象を与えており、表現手法としても素早く能動的な筆触によって一気に仕上げられた空の描写などは、刻々と変わりゆく空の微妙な表情や色彩の変化を見事に捉えている。



【素早く能動的な筆触】

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