Description of a work (作品の解説)
2007/05/28掲載
Work figure (作品図)
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陶磁の国の姫君

 1862-1863年
(La Princesse du pays de la porcelaine)
199.9×116cm | 油彩・画布 | フリーア美術館(ワシントン)

孤高の画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーによる日本趣味的要素が強く示された代表的な作例のひとつ『陶磁の国の姫君』。完成した後、数年後にリヴァプールの富豪で画家の有力なパトロン兼支援者であったフレデリック・R・レイランドが購入し、現在はホイッスラーがレイランド自邸食堂の孔雀の装飾を踏まえながらデザインしたフリーア美術館(ワシントン)の孔雀の間(ピーコック・ルーム)マントル・ピースの上に飾られている本作は、女流画家マリー・スティルマンの姉であるクリスティーヌ・スパルタリをモデルに日本の伝統的な着物を着た姿を描いた肖像画的な全身女性像作品である。本作に描き込まれたクリスティーヌ・スパルタリが身にまとう鮮やかな黄色と深藍色の着物や朱色の腰帯、右手に持つ菖蒲(アヤメ)など日本伝統の花々が描かれた団扇、背後の屏風、床に敷かれる東洋的な茣蓙、スパルタリの背後に置かれる陶磁器などはホイッスラーが好み惹かれていた日本趣味(ジャポネズリー)的な要素が顕著に示された良例であるほか、それらが醸し出す東洋的雰囲気とモデルの西洋的雰囲気の類稀な融合性は特筆に値する出来栄えである。また画面全体は黄色味が支配しつつも、床面の緑色や茣蓙・着物の深い藍色、腰帯や屏風に描かれる鳥の朱色など混在となる色彩の調和と統一感は見る者に強烈な印象を与えるだけではなく、高度な完成度を示すひとつの肖像画として強い関心を惹きつけさせる。


【全体図】
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モデルを務めたクリスティーヌ・スパルタリの表情。フリーア美術館(ワシントン)の孔雀の間(ピーコック・ルーム)マントル・ピースの上に飾られている本作は、女流画家マリー・スティルマンの姉であるクリスティーヌ・スパルタリをモデルに日本の伝統的な着物を着た姿を描いた肖像画的な全身女性像作品である。



【クリスティーヌ・スパルタリの表情】
日本の伝統的な着物の模様。日本趣味が醸し出す東洋的雰囲気とモデルの西洋的雰囲気の類稀な融合性は特筆に値する出来栄えである。また画面全体は黄色味が支配しつつも、床面の緑色や茣蓙・着物の深い藍色、腰帯や屏風に朱色など混在となる色彩の調和と統一感は見る者に強烈な印象を与える。



【日本の伝統的な着物の模様】
ホイッスラーが好み惹かれていた日本趣味(ジャポネズリー)的な要素。本作に描き込まれた鮮やかな黄色と深藍色の着物や朱色の腰帯、菖蒲(アヤメ)など日本伝統の花々が描かれた団扇、屏風、東洋的な茣蓙、陶磁器などはホイッスラーが好み惹かれていた日本趣味的な要素が顕著に示された良例である。



【日本趣味(ジャポネズリー)的な要素】

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