2007/01/01掲載
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竹梅図屏風(Bamboo and plum tree) 18世紀(江戸時代)各65.2×181cm | 2曲1双・紙本金地着色 | 東京国立博物館
遅筆で力強く描かれた凛と天に向かい伸びる竹の姿。本作は宋代より始まる中国文人画で好まれた画題画題のひとつ≪歳寒三友(さいかんのさんゆう)≫、所謂≪松・竹・梅≫のうち、竹と梅を描いた作品である。
【天に向かい伸びる竹の姿】
速筆で軽やかに描かれた素実な梅の姿。遅筆で力強く描かれた凛と天に向かい伸びる竹の姿の表現と、速筆で軽やかに描かれた素実な梅の表現は、画面において対照的でありながらも紙本金地着色の余白を存分に活かし、極めて高度な統一性を感じさせることに成功している。
【速筆で軽やかに描かれた素実な梅】
画面左下に捺させる光琳の落款。このような光琳の表現手法によって表現される、豪華かつ装飾的でありながら、上品で優美な雅性や、ある種の静寂性・思想性をも感じさせる独特の世界観によって観る者を圧倒するのである。
【画面左下に捺させる光琳の落款】 |