2010/01/02掲載
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雪松図屏風(Snow and Pine trees) 制作年不明155.5×362.0cm | 6曲1双・紙本金地着色 | 三井記念美術館 関連:『雪松図屏風』全体図/左隻拡大図/右隻拡大図
降り積もる白雪と松の地肌の見事な対比。応挙作品の中でも傑作中の傑作として名高い本作は、京都、大阪、江戸で大規模な呉服屋兼両替店を営んでいた新興豪商の三井家の依頼により制作された、右隻に雄松、左隻に雌松を配する冬の朝の情景を描いた屏風絵作品である。
【白雪と松の地肌の見事な対比】 付立て技法を用いて表現される立体感。右隻雄松の幹部分では応挙の代表的な表現技法とも呼べる≪付立て≫を用いて、松の自然的な質感と立体感を描写しており、そこには松の活き活きとした生命感が強く感じられる。
【付立てを用いて表現される立体感】 片ぼかしが用いられる枝部分。幹や枝葉部分では雌雄の松共に≪片ぼかし(墨色の濃淡によって片方のみを暈す技法)≫を用いて降り積もる美しい白雪が表現されており、観る者へ清々しい冬の朝の清涼を感じさせることに成功している。
【片ぼかしが用いられる枝部分】
丁寧に描写される針葉部分。右隻の雄松では降り積もる白雪を少なく、松本来の地肌や針葉の色味を強めているのに対し、左隻の雌松では降り積もる白雪の分量を多くすることによって(雌雄の松の)色彩的対比を与えている点も特筆に値する。
【丁寧に描写される針葉部分】 |