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棒を持つ兵士の肖像 (Ritratto di Alabardiere)
1530年
92×72cm | Oil on panel | NY,スティルマン・コレクション |
マニエリスム第一世代を代表する画家ポントルモの代表的な肖像画作品『棒を持つ兵士の肖像』。画面前景より射し込む強い光によって黒色の背景に浮かび上がる若い兵士の複雑な表情や、鮮やかな服装の色彩に、ポントルモの絵画的手腕が最も顕著に表れており、相乗的かつ劇的な効果を生み出している。ウフィツィ美術館には本作の素描習作も残されており、こちらがやや憂鬱なポーズを構えるのに対し、本作では画面と垂直に構え凛とした印象を与えるものとなっている。また本作品のモデルは大公であったコジモ1世とされる説や、フランチェスコ・ヴァルディ説など諸説あるが、どれも確証を得てはいない。
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