Description of a work (作品の解説)
2010/11/17掲載
Work figure (作品図)
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ルイ=フランソワ・ベルタン氏の肖像


(M.Louis-François Bertin) 1832年
116×96cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス新古典主義最後の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルを代表する肖像画作品『ルイ=フランソワ・ベルタン氏の肖像』。本作はオルレアン朝ルイ=フィリップ1世在位時(7月王政期)の重要な実業家で、情報誌≪論争新聞(ジュルナル・デ・デバ)≫の主催者としても知られる≪ルイ=フランソワ・ベルタン≫氏を描いた肖像画作品である。画面中央に配されるベルタン氏は真っ直ぐ視線を(本作を)観る者へと向けており、その観る者を鋭く観察するような視線や意志の強さを感じさせる真一文字に結ばれた口元などは対象(ベルタン氏)の厳しい性格を顕著に示している。また木椅子へやや斜めに腰掛けながら手を両膝の上に置いた重厚な姿態には大物実業家としての本質的内面性を見出すことができる。当時の新聞業界を牛耳る存在であった本作のモデルであるベルタン氏の肖像画を制作するにあたり、アングルはその人物像を肖像画として如何に表現するか、相当苦心していたことが知られており、本作でのベルタン氏の身構えるような姿態は、画家が同氏が一人で部屋にいるところを密かに観察していた最中、ベルタン氏が立ち上がろうと両手で膝頭を掴んだ姿を目撃し、それに着想を得たと伝えられている。本作の非常に緻密で精緻な写実的描写と計算された画面構成と構図が高い水準で融合される本作の描く対象の内面性までもを捉え、そこから本作を観る者まで肉薄するかのような人物表現はアングルの肖像画作品の中、特に男性肖像画の中でも白眉の出来栄えを示しており、今なお画家随一の代表作として人々に強い感銘を与え続けている。


【全体図】
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観る者を鋭く観察するかのようなベルタン氏の視線。画面中央に配されるベルタン氏は真っ直ぐ視線を(本作を)観る者へと向けており、その観る者を鋭く観察するような視線や意志の強さを感じさせる真一文字に結ばれた口元などは対象(ベルタン氏)の厳しい性格を顕著に示している。



【観る者を鋭く観察する視線】
精緻に描写される衣服。本作はオルレアン朝ルイ=フィリップ1世在位時(7月王政期)の重要な実業家で、情報誌≪論争新聞(ジュルナル・デ・デバ)≫の主催者としても知られる≪ルイ=フランソワ・ベルタン≫氏を描いた肖像画作品である。



【精緻に描写される衣服】
重々しさを感じさせる姿態。本作でのベルタン氏の身構えるような姿態は、画家が同氏が一人で部屋にいるところを密かに観察していた最中、ベルタン氏が立ち上がろうと両手で膝頭を掴んだ姿を目撃し、それに着想を得たと伝えられている。



【重々しさを感じさせる姿態】

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