2011/05/04掲載
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パオロとフランチェスカ(Paolo et Francesca) 1819年 48×39cm | 油彩・画布 | アンジェ美術館(フランス) フランチェスカへ口づけするパオロ。本作は13世紀イタリアを代表する詩人ダンテ・アリギエーリの傑作≪神曲≫の版画に着想を得て制作された作品で、地獄篇 第5歌に記されるポレタン家の娘フランチェスカと、彼女の嫁ぎ先であるマラテスタ家の義弟パオロがはじめて接吻する場面が描かれている。
【口づけするパオロ】 フランチェスカの手から落ちるアーサー王物語の書物。フランチェスカは戸惑いと罪悪感を隠し切れないながらも、思わず書物を手から落としている仕草からパオロの愛に対する甘い喜びと受け入れの感情を見出すことができる。
【フランチェスカの手から落ちる書物】 ふたりの裏切りに激怒する夫ジャンチオット。パオロとフランチェスカの口づけを目撃し剣を手にする夫ジャンチオットが画面奥右側へ描き込まれている。その後、パオロとフランチェスカは地獄を彷徨うことになる。
【激怒する夫ジャンチオット】 |