Description of a work (作品の解説)
2004/11/01掲載
Work figure (作品図)
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聖母子(双樹の聖母)

 1487年頃
Madonna col Bambino (Madonna degli alberetti)
74×59cm | 油彩・板 | アカデミア美術館

ジョヴァンニ・ベッリーニが数多く描いている聖母子像の代表的な作品『聖母子(双樹の聖母)』。画家の画業中、作風に円熟味を増しつつあった中期頃に描かれた本作は、敬虔な表情を浮かべる聖母マリアと幼子イエス・キリストを描いた典型的な聖母子像の図像だが、画面左右へ対照的に配された、情緒的に描かれた双樹が、ある種の不安定感を帯びた精神性を与え、本作の印象をより深いものとしている。また、その他の筆記事項として署名と年期が画面下部に記さることが挙げられる。典型的な図像を持ちながらもジョヴァンニ・ベッリーニらしい色彩と感情に富んだ表現がなされた玉座の聖母子と幼子イエスや画面の左右に配される情緒的に描かれた各樹木の表現は、本作の最も大きな見所のひとつである。


【全体図】
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典型的な図像を持ちながらもジョヴァンニ・ベッリーニらしい色彩と感情に富んだ表現がなされた玉座の聖母子と幼子イエス。聖母の背後には、聖母が鎮座する玉座の背もたれが描かれる。



【玉座の聖母子と幼子キリスト】
本作の印象をより深いものとしている、画面の左右に配される情緒的に描かれた各樹木。ブラジルのサンパウロ美術館に本作のヴァリアントが所蔵されている。



【画面の左右に配される樹木】

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