2004/10/29掲載
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聖ウィンケンティウス・フェレリウス多翼祭壇画(Polittico di San Vincenzo Ferreri) 1464-1468年頃 テンペラ・板 | サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂 関連:溺死者と瓦礫の下の埋葬者を蘇生させる聖者(下段左) 関連:罪深い男女を神の炎で焼き、魂を救う聖者(下段中) 関連:幼児を蘇生させ、囚人を解放する聖者(下段右)
上段中央部分に72×67cmの大きさで描かれる『ピエタ(死せるキリストと2天使)』。ジョヴァンニ・ベッリーニが終生描き続けたピエタの図像が、この祭壇画でも採用されている。
【ピエタ(72×67cm)】
上段左翼部分に上段中央部分と同様72×67cmの大きさで描かれる『受胎を聖告する大天使』。右手に聖胎を象徴するゆりの花を持ち、右翼の聖母マリアを見つめる大天使ガブリエル。
【聖告する天使(72×67cm)】
上段右翼部分には上段左翼部分の対画的存在として『聖告を受ける聖母マリア』が描かれている。マリアは身体の前で両手を合わせ父なる神に聖告を受け入れるポーズをとっている。
【聖告を受ける聖母マリア(72×67cm)】 【聖ウィンケンティウス(167×67cm)】
中段左翼部分に配されるキリスト教でカナン出身とされる伝説上の聖人『聖クリストフォルス』。その名は≪キリストを運ぶ者≫を意味しており、本作を始めとする宗教画では、幼いキリストを肩に担いで河を渡る姿として描かれたものが多い。
【聖クリストフォルス(167×67cm)】
中段右翼部分に描かれる『聖セバスティアヌス』。聖セバスティアヌスは三世紀に生まれたキリスト教の聖人(殉教者)で、当時の大帝ディオクレティアヌス帝に仕えるガリアのナルボンヌ出身の士官であったが、密かにキリスト教徒となったため、ローマで矢を射られ処刑されたとされている。
【聖セバスティアヌス(167×67cm)】 |