Description of a work (作品の解説)
2004/10/30掲載
Work figure (作品図)
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ペザーロ祭壇画(聖母の戴冠)

 1475年頃
Pala di Pesaro (Incoronazione della Madonna)
262×240cm | テンペラ・板 | ペザーロ市立美術館

ペザーロのサン・フランチェスコ聖堂が旧蔵し、現在は作品上部に配されるヴァティカン宮美術館旧蔵のピエタと共に、現在ペザーロ市立美術館へ所蔵される、ジョヴァンニ・ベッリーニの様式的発展上の分岐点となった傑作『ペザーロ祭壇画』。別名「聖母の戴冠」とも呼ばれる本作は、画面中央の≪玉座に座り聖母へ戴冠するキリスト、4聖人≫を主題とし、祭壇画の左右には諸聖人を3人ずつ配し、下部のプレデッラにはキリストや聖ペテロ、聖ヒエロニムスなど諸聖人の物語が描かれている。それまでの表現・手法を完全に逸脱し、盛期ルネサンス様式を先駆する総合的様式美を、油彩という新しい素材によって描かれた最初の作品としても、西洋美術史上、特にイタリア・ルネサンス期を研究する上で最も重要な作品のひとつ。特に神々しいキリストの姿や聖母マリアの貞淑な姿と、叙情的に描かれる背景の融合が実に見事である。また本作が現在のペザーロ市立美術館へ所蔵される際に、ヴァティカン宮美術館が旧蔵していた≪ピエタ≫(106×84cm)が上部に合成された。


【全体図】
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本祭壇画の主題≪玉座に座り聖母へ戴冠するキリスト、4聖人≫を描いた中央部分(262×240cm)。神々しいキリストの姿や聖母マリアの貞淑な姿と、叙情的に描かれる背景の融合が実に見事である。



【神々しいキリストと聖母の姿】
死せるキリストの御手をとる聖母マリア。本作が現在のペザーロ市立美術館へ所蔵される際に、ヴァティカン宮美術館が旧蔵していたこの≪ピエタ≫(106×84cm)が合成された。



【悲しみに暮れる聖母マリア】
各61×25cmの大きさで主題の左右に配される諸聖人。左は上から『アレクサンドリアの聖カタリナ』『聖ラウレンティウス』『パドヴァの聖アントニウス』『洗礼者聖ヨハネ』が、右には『福者ミケリーナ』『聖ベルナルディーノ』『トゥールーズの聖ルイ』『聖アンドレ』が配されている。



【左右に配される諸聖人】
祭壇画下部のプレデッラ部分に描かれたキリストと諸聖人の各物語(40×42cm)。左から『聖ゲオルギウスと龍』『聖パウロの回心』『聖ペテロの磔刑』『キリストの降誕』『悔悛する聖ヒエロニムス』『聖痕を受ける聖フランチェスコ』『聖テレンティウス』



【プレデッラに配される各物語】

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