2006/07/04掲載
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若い騎士の肖像(Ritratto di cavaliere)1510年 | 218×152cm | 油彩・画布 ティッセン=ボルネミッサ・コレクション
ヴィトーレ・カルパッチョ随一の画家として知られる『若い騎士の肖像』。本作に描かれるのは、画面内に配される紋章や細微の描写から一般的にウルビーノ公フランチェスコ・マリア・デラ・ローヴェレの若き姿(20歳前後)と考えられているが、他にも諸説唱えられており、現在も議論が続いている。
【フランチェスコ・マリア・デラ・ローヴェレ】
極めて高度な写実的細密描写。甲冑を纏い凛々しく剣に手をかけるフランチェスコ・マリア・デラ・ローヴェレや様々な草花が咲く大地、詩情性を感じさせる背景など極めて高度な写実的細密描写に、初期ネーデルランド絵画の影響が指摘されている。
【極めて高度な写実的細密描写】
本作では画面左下へ≪王者の尊厳、貴族階級、正義、純潔≫などの象徴と考えられる白貂(白テン)と共に配される白紙への記述「不名誉よりは死を選ぶ」に示されるよう、当時、終焉を迎えつつあった騎士道が表現されている。
【示される騎士道の精神】 |