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シュトゥパハの聖母子(Stuppach Madonna)1517-1519年頃
186×150cm | Oil on panel | Parish Church, Stuppach |
雪のように透き通る聖母子の肌の白さから、聖母の雪の奇蹟の祭壇画と称される、シュトゥパハ教区聖堂の祭壇画中央部分『シュトゥパハの聖母子』。主題は聖母マリアが地上に腰掛け、幼子キリストを抱く姿を描く、祭壇画の典型であった≪謙譲の聖母子≫だが、後期ゴシックの精神を立脚するグリューネヴァルトは、卓越した表現のもと、それまでのドイツ絵画(祭壇画)にはあまり見られなかった、深い精神性を描き出した。また本作を含み、祭壇画は主要部分である中央(本作)と、左右に179×91cmで描かれた両翼部分の三連作で、右翼部分『ローマのサンタ・マリア・マジョーレ聖堂建立の奇蹟』はフライブルクのアウグスティヌス美術館が所蔵するが、左翼部分は消失している。グリューネヴァルトは宗教画を、特にキリストの磔刑図を多く描いたが長くその価値を忘れられていたため、現存数は少ない。
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