Description of a work (作品の解説)
2005/09/15掲載
Work figure (作品図)
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裁判官の前の聖ルキア

 1532年
(Santa Lucia davanti al giudice)
243×237cm | 油彩・板 | イエージ市立美術館

ロレンツォ・ロットの代表的な宗教画作品のひとつ『裁判官の前の聖ルキア』。イエージ市の聖女ルキア同信会のために制作されたサンタ・ルチア祭壇画中央部分として描かれた本作の主題は、貧者へ財産を分け与えたことから婚約者の怒りを買い、キリスト教徒だと密告された後、娼妓と同等の刑罰を裁判で裁かれるが、如何様な拷問をおこなおうと傷ひとつ負わせることが出来なかったために、最後は短剣を頸部へ刺され殉教したキリスト教の聖女、聖ルキア(聖ルチア)の裁判の場面を描いた≪裁判官の前の聖ルキア≫で、動じることなく裁判官であるシチリア総督に毅然として訴える聖ルキアの信仰の強さを、巧みな感情表現と、やや劇的な構図を用い見事に表現している。聖ルキアとは、貧者へ財産を分け与えたことから婚約者の怒りを買い、キリスト教徒だと密告された後、娼妓と同等の刑罰を裁判で裁かれ殉教したキリスト教の聖女で、名がルキア(Lucia=光)を意味するルキアの美しさに心を奪われた求婚者に、原因となる自らの目をくり抜いて与えたことから、その求婚者は改宗し、またルキアが天に祈ると目も回復したという伝説が生まれた(眼病の守護聖人としても知られている)。


【全体図】
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毅然として訴える聖ルキア。聖ルキアとは、貧者へ財産を分け与えたことから婚約者の怒りを買い、キリスト教徒だと密告された後、娼妓と同等の刑罰を裁判で裁かれ殉教したキリスト教の聖女で、眼病の守護聖人としても知られている。



【毅然として訴える聖ルキア】
聖ルキアを見下ろすシチリア総督。ロレンツォ・ロットの大きな特徴である不安定的要素を残す、やや劇的な構図を用いて描かれたこの場面は、よりわかり易く説明的でありながら、聖女ルキアの毅然とした聖性は全く損なわれていない。



【聖ルキアを見下ろすシチリア総督】
聖ルキアを取り押さえようと試みる聴衆。群れる聴衆の激しい運動性は、場面をより複雑で劇的な印象を与えている。また聖女ルキアの指し示す指先には、精霊の姿が示される。



【聖ルキアを取り押さえようと試みる聴衆】

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