Description of a work (作品の解説)
2005/09/01掲載
Work figure (作品図)
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死せるキリスト

 (Cristo morto) 1480年頃
66×81cm | テンペラ・画布 | ブレラ美術館(ミラノ)

マンテーニャが手がけた全作品中、最も著名な作品のひとつである『死せるキリスト』。マンテーニャの生涯において隆盛期から晩年期の間に描かれたと推測される本作の主題は、磔刑に処され死したイエスの亡骸を描く≪死せるキリスト≫であるが、特筆すべきはその表現手法で、画家が自らの死を予期し、描いたとされるイエスの亡骸は、それまで描かれてきた典型的な構図とは決定的に異なり、足下から急激な短縮法を用い描くという、極めて斬新な構図が取られている。本作はマンテーニャにとっても重要な作品であり、彼の死後に、マントヴァのサンタドレア聖堂礼拝堂内に用意されたマンテーニャの記念碑の下部へ設置することが定められていた。画家が自らの死を予期し描いたと研究される、暗室の中の弱い光に浮かび上がるイエスの姿は、暗室に射し込む弱々しい光によって浮かび上がる独特の印象を見る者に与える。またイエスの死を悲しむ聖母マリアと福音書記者聖ヨハネの瞳からは大粒の涙が溢れ、目を腫らし嘆く聖母と聖ヨハネの姿から、神の子イエスの死に対する、深い悲しみが滲み出ている。


【全体図】
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暗室の中の弱い光に浮かび上がるイエス。画家が自らの死を予期し描いたと研究されるイエスの姿は、暗室に射し込む弱々しい光によって浮かび上がる独特の印象を見る者に与える。



【弱い光に浮かび上がるイエス】
急激な短縮法を用いて描かれたイエスの亡骸。それまで描かれてきた典型的な構図とは決定的に異なり、極めて斬新な構図が取られ描かれたが、聖性は失われておらず、むしろ、この斬新な構図によって、イエスの聖なる死がより強調されている。



【短縮法を用いて描かれたイエスの亡骸】
イエスの死を悲しむ聖母マリアと福音書記者聖ヨハネ。その瞳からは大粒の涙が溢れ、目を腫らし嘆く聖母と聖ヨハネの姿から、神の子イエスの死に対する、深い悲しみが滲み出ている。



【イエスの死を悲しむ聖母と聖ヨハネ】

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