Description of a work (作品の解説)
2006/02/05掲載
Work figure (作品図)
■ 

玉座の聖母(ロヴェレッラ多翼祭壇画中央部分)

 1474年
(Madonna col Bambino in trono (Polittico Roverella))
239×102cm | 油彩・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

フェラーラ派最大の巨匠コズメ・トゥーラが手がけた最高傑作のひとつ『玉座の聖母(ロヴェレッラ多翼祭壇画中央部分)』。ロヴェレッラ家の依頼によりサン・ジョルジョ聖堂の主祭壇画として描かれた本作の主題は、当時制作される祭壇画の最も一般的な表現のひとつで、玉座に聖母マリアが鎮座し幼子イエスを抱く≪玉座の聖母≫で、周囲には4人の奏楽者が描かれている。本作は極めて縦長の構図に描かれており、異例ともされる階段付きの玉座に鎮座する聖母子の荘厳でありながら、幻想性も兼ね備えるコズメ・トゥーラ独自の世界観と人物表現によって、祭壇画として違和感を感じることのない歓喜に満ちた聖性と奇想的な美しさを示している。また画家の形態の大きな特徴のひとつとなる彫刻による豪華な装飾や、ヘブライ文字の碑文が玉座には施されている。なお本作はコロンナ美術館(ローマ)所蔵『ニッコロ・ロヴェレッラと聖マウレリウス、聖パウロ』、ルーヴル美術館所蔵『ピエタ(リュネット)』の3作品を主要部分とし、各地に分蔵されている小板絵4点と共に構成されていたと考えられている。

関連:ルーヴル美術館所蔵『ピエタ(リュネット)』


【全体図】
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階段付きの玉座に鎮座する聖母マリア。ロヴェレッラ家の依頼によりサン・ジョルジョ聖堂の主祭壇画として描かれた本作の主題≪玉座の聖母≫は、玉座に聖母マリアが鎮座し幼子イエスを抱く、当時制作される祭壇画の最も一般的な表現のひとつ。



【階段付きの玉座に鎮座する聖母マリア】
聖母マリアの腕に抱かれる幼子イエス。本作はコロンナ美術館(ローマ)所蔵『ニッコロ・ロヴェレッラと聖マウレリウス、聖パウロ』、ルーヴル美術館所蔵『ピエタ(リュネット)』の3作品を主要部分とし、各地に分蔵されている小板絵4点と共に構成されていたと考えられている。



【聖母マリアの腕に抱かれる幼子イエス】
コズメ・トゥーラ独自の人物表現。本作における登場人物の表現は荘厳でありながら、幻想性も兼ね備えるコズメ・トゥーラ独自の世界観と人物表現によって、祭壇画として違和感を感じることのない歓喜に満ちた聖性と奇想的な美しさを示している。



【コズメ・トゥーラ独自の人物表現】

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