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アモルの勝利 (Amore vittorioso) 1602年
156×113cm | 油彩・画布 | ベルリン国立美術館 |
描かれた当時より名画として名を馳せたカラヴァッジョ最大の傑作のひとつ『アモルの勝利』。ジュスティアーニ侯爵の依頼により制作された本作は、俗世間を軽蔑し勝ち誇る笑みを浮かべる愛の神アモル(キューピッド)を描いたもので、死や時間に縛られるが故に一時の享楽に溺れる人間全てに対する軽蔑の眼差しと笑みを浮かべた自由な愛の神の表現は、見る者の心象を大きく揺さ振り動揺させる。また本作と対をなす作品『天上のキューピッド』を、同じくジュスティアーニ侯爵の依頼により描いたジョヴァンニ・バリオーネはカラヴァッジョを告訴するほか、カラヴァッジョに関する伝記も残しており、画家の研究には欠かせない重要な人物のひとりである。
関連:ジョヴァンニ・バリオーネによる『天上のキューピッド』
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