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聖ペテロの磔刑 (Crocifissione di San Pietro)
1600年 | 230×175cm | 油彩・画布 |
サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂チェラージ礼拝堂 |
サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂チェラージ礼拝堂のために制作された『聖ペテロの磔刑』。対画である『聖パウロの回心』と共に同礼拝堂へ収められる本作は、実弟アンデレと共にガラリヤの地で漁師をしているところに主イエスより使命され、キリストの最初の弟子になる、主の昇天後は皇帝から迫害を受けながらもエルサレムやローマで布教活動をおこない、最後はネロ帝によって殉教した≪聖ペテロ≫の磔刑の場面を描いたもので、逆十字架に架けられる聖ペテロや刑の執行人など場面の必要要素以外を殆ど排除した、カラヴァッジョの大きな特徴を備えていることに加え、聖ペテロの聖性をも排除する労働者的な貧困表現や、場面を人物の運動性のみによって示す独特の表現によってカラヴァッジョを代表する作品へと昇華させている。また本作は収められるはずであった第1作目が、同聖堂から受け取りを拒否された為に描かれた第2ヴァージョンであると推測されている。
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