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果物籠を持つ少年(果物売り) 1593年頃
(Fanciullo con canestro di frutta (Fruttaiolo))
70×67cm | 油彩・画布 | ボルゲーゼ美術館(ローマ) |
人物と静物の高い表現力による融合を見せるカラヴァッジョの代表作『果物籠を持つ少年』。通称『果物売り』とも呼ばれる本作は、カラヴァッジョ初期の人物描写における大きな特徴である、やや陰鬱で虚ろげな表情の、おそらく自身をモデルとした青年が、溢れんばかりの果実の入る籠を抱える姿を描いたもので、極めて写実的に描かれる果実と籠の描写は、まさに圧巻の一言である。そして、このカラヴァッジョによる写実的な静物描写は、1596年頃に描かれたとされる『果物籠』で頂点を見せることになる。また本作はローマに出た直後の、ジュゼッペ・ダルビーノの下で修行していた頃に描かれたと推測されている。
関連:カラヴァッジョ作『果物籠』
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