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果物籠 (Canestro di frutta) 1596年頃
31×47cm | 油彩・画布 | アンブルジアーナ絵画館(ミラノ) |
バロック絵画最大の巨匠カラヴァッジョによる静物描写の頂点を示す代表作『果物籠』。若き修行時代の頃から写実的描写力を開花させていたカラヴァッジョの恐るべき才能を存分に示す本作は、それまで幾多の画家が描いてきた瑞々しく美しい果物の描写のみならず、枯れ朽ちる葉や腐敗する果実など、醜さや下劣とされる描写まで、徹底したリアリズムを以って現実を描いている。これは若きカラヴァッジョから晩年にまで生涯貫かれる写実による現実描写の表れであり、後世に多大な影響を与えることになる画家の類稀な才能を示す最良の作例のひとつである。
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