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作品イメージ
homeページCollection常設展示バロック美術カラヴァッジョ (Caravaggio)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2006/01/16掲載
【全体図】
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慈悲の七つのおこない 1607年頃
(Sette opere di Misericordia) | 390×260cm
油彩・画布 | ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂

カラヴァッジョの全作品中、最も複雑な構図で描かれた傑作『慈悲の七つのおこない』。殺人罪によりナポリへと逃亡したカラヴァッジョが同地でピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア同信会の依頼により制作された本作は≪マタイ福音書≫に由来する≪慈悲の七つのおこない≫を主題に描かれたもので、各場面をひとつの場面の中に配するという極めて斬新な構図が取られている。各場面は複雑に交錯しながらも、カラヴァッジョの自然主義的写実性で描写された誇張されない事象は明確に表現されており、わずか数ヶ月の滞在中に、圧倒的な知性と創造力によって描かれた本作は、バッティスチッロやフセペ・デ・リベーラなどナポリ派の画家たちに多大な影響を与えた。また『慈悲の七つのおこない』は、右部の≪死者の埋葬≫と≪囚人の慰問、食物の施与≫、中央の≪衣服の施与≫、左部の≪病気の治癒≫、≪巡礼者の歓待≫、≪飲物の施与≫と構成されている。


【到来する聖母子と二人の天使】
聖母子と二人の天使。本作の主題≪慈悲の七つのおこない≫はマタイ福音書のみに記され、審判者イエスの第二の到来、そして選ばれし者と呪われし者を、この慈悲の行為によって選定するとされている。
【死者の埋葬部分】
死者の埋葬部分。本作では慈悲の七つのおこないのひとつである≪死者の埋葬≫は、死者を運ぶ男性と道標として松明を灯す男によって示されている。
【囚人の慰問、食物の施与部分】
囚人の慰問、食物の施与部分。娘ペロが父キモンの餓えを癒す為に母乳を与える、いわゆる『ローマの慈愛』と呼ばれる場面は、慈悲の七つのおこないの内≪囚人の慰問≫、≪食物の施与≫のふたつを示している。
【衣服の施与部分】
衣服の施与部分。画面下部で後ろ向きに配される貧困者に外套を与える聖マルティヌスが描かれたこの中央部分は、慈悲の七つのおこないの≪衣服の施与≫を示している。
【病気の治癒部分】
病気の治癒部分。暗い背景の中に微かに見えている、蹲りながらも上方を見上げる若者は、慈悲の七つのおこないの≪病気の治癒≫を示しているとされている。
【巡礼者の歓待部分】
巡礼者の歓待。宿屋の主人と聖大ヤコブによって表現された慈悲の七つのおこないの≪巡礼者の歓待≫は、深い陰影を落とす光彩の使用によって見る者へ強く印象を与えている。
【飲物の施与部分】
飲物の施与部分。ろばの顎骨から水を飲む旧約聖書の士師サムソンが描かれたこの部分は、慈悲の七つのおこないの≪飲物の施与≫を示している。
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