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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

アルテミジア・ジェンティレスキ Artemisia Gentileschi
1593-1652 | イタリア | バロック・カラヴァッジェスキ一派

17世紀のイタリアで活躍した女流画家。芸術一家に生まれ、実父オラツィオ・ジェンティレスキから手ほどきを受け、カラヴァッジョの影響を受けながらカラヴァッジェスキ一派独特の深い陰影を用いた劇的な表現手法を会得、若くしてその才能を開花させる。実父オラツィオ・ジェンティレスキの作風とは異なり、当時もてはやされたエロティックで暴力的なバロック趣味的な様式を形成し、独自の作風へと発展させた。1612年にフィレンツェの画家と結婚するも、一人娘を授かった後に離婚。フィレンツェに滞在していた1614年から1620年の間にメディチ家の庇護を受け、美術アカデミー会員となる。離婚後は、実父オラツィオ・ジェンティレスキと共にジェノヴァへ向かったと推測されているが、詳細は不明、その後、ローマを経由したのち、ナポリを拠点に制作をおこなう。また1638年から1640年までは実父オラツィオ・ジェンティレスキの招きにより、ロンドンで共同制作をおこなう。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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ホロフェルネスを殺すユディット 1620年頃
(Giudetta che decapita Oloferne)
199×162.5cm | 油彩・画布 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

カラヴァッジョの作品から構想を得て、画家の生涯中に繰り返し描いた≪ユディットとホロフェルネス≫の物語から、特に白眉の完成度を見せるアルテミジア・ジェンティレスキの代表作『ホロフェルネスを殺すユディット』。本作の主題≪ユディト≫は、第二正典のユディト記(ユディト書)を典拠とした架空の物語で、アッシリア王ネブカドネツァルの命により、軍を率いて侵攻する将軍ホロフェルネスに近づき、酔いつぶれたところをユディトが斬首、自身の住むベツリアの街(ヘブライ語で神の家を意味する)を救う内容である。本作は、その最もドラマティックな斬首の場面を描いたもので、リアリティに富んだ写実性に加えエロティックでありながら暴力的な描写で、当時より極めて高い評価を得ていた。

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【全体図】
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洗礼者聖ヨハネの誕生(Nascita del Battista)1631-33年頃
184×258cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

父娘の画家として知られるアルテミジア・ジェンティレスキのナポリ時代の代表作『洗礼者聖ヨハネの誕生』。ナポリ総督モンテレイ伯爵から同地の画家マッシモ・スタンツィオーネに依頼された洗礼者聖ヨハネを主題とした連作企画に関する一枚であると推測されている本作に描かれるのは、エルサレム神殿の司祭ザカリアと聖母マリアの従姉妹エリサベトの間に生まれた、旧約聖書における最後の預言者で、神の子イエスに洗礼を施した救世主の先駆者でもある≪洗礼者聖ヨハネ≫の誕生場面で、カラヴァッジョの影響である強い明暗対比を用いながらも、当時のイタリアバロックの流行のひとつであった古典主義的な表現とは異なり、日常風景の一場面を捉え描くような自然主義的表現がなされているのが大きな特徴である。また本作においてアルテミジア・ジェンティレスキは自身の様式である特徴的な女性の凛とした表情を一際顕示しているほか、背景には当時の流行画家コダッツィ風の描写を用いている点、空間内に大気的な要素を取り入れ現実感を如実に示している点など、その表現手法においても当時の画家や後世の研究者から賞賛を受けている。

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