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ユディトと召使い (Giudetta e la fantesca) 1611-1612年頃
127×147cm | 油彩・画布 | ヴァティカン宮美術館 絵画館 |
カラヴァッジョへの傾倒が強く示されるオラツィオ・ジェンティレスキ初期の作品『ユディトと召使い』。本作の主題はアッシリア王ネブカドネツァルの命により、軍を率いて侵攻する将軍ホロフェルネスに近づき、酔いつぶれたところをユディトが斬首、自身の住むベツリアの街を救う逸話≪ユディト≫で、カラヴァッジョの大きな特徴である暗中での劇的な場面描写をオラツィオ・ジェンティレスキが吸収し、ユディトがアッシリアの将軍ホロフェルネスを斬首する、静寂の中の強い警戒心と緊張感が存分に表現されており、本作の描かれた1612年頃以降、オラツィオ・ジェンティレスキは絵画を学んだ地、トスカーナ派伝統の線描様式に豊かな色彩を加え独自の様式へと発展させた。また、1938年に個人から教皇ピウス十一世へと寄贈されヴァチカン美術館所蔵となった本作は画家本人によるヴァリアントであると推測されており、原画となる同様の構図の作品はハートフォードのワズワース・アセニアム美術館が所蔵している。
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