【モーセの発見:出エジプト記
1-2章】
◆モーセの発見
王の夢見をおこない国を救ったイスラエルの民ヨセフの功績も、時が経つと忘れ去られていった。それから更に時が流れ、エジプトではイスラエル人の人口が増加の一途を辿り、ファラオ(エジプトの王)はしだいに脅威を感じるようになり、ある時、イスラエル人を導く救世主が産まれたとの報告を受け、イスラエル人の男児の赤子を殺すよう命令する。モーセの母ヨケベドは、三ヶ月間隠し育てた我が子の身の危険を察し、産まれて間も無いモーセを葦舟に乗せてナイル川に流す。この時、モーセの姉であるマリアに、モーセの行く末を見届けるさせた。ナイル川の下流ではファラオの王女が水辺で水遊びをしおり、そこに葦舟に乗せられたモーセが流れてくる。哀れむ王女は、幼い赤子であるモーセを王子として育てることを決意し、モーセの行く末を見届けていたモーセの姉マリアから母ヨケベドを紹介され、ヨケベド乳母に任命する。こうしてモーセは母ヨケベドによって育てられることになった。
◆モーセと王冠
王宮で育てられていた幼きモーセに、ある時、ファラオが戯れにと(幼いモーセの)頭へ王冠を乗せた。しかし幼きモーセはその王冠を落とし、踏みつけてしまう。大臣の一人はこれを≪モーセがファラオを倒す予言≫であるとモーセを殺すようファラオに進言し、別の大臣は神の裁きに委ねるよう進言する。ファラオはルビーの指輪の入った杯と、炭火の入った杯を用意し、どちらかひとつをモーセに選ばせる。これは前者を選べば物の価値を判断できるものとし処刑を、後者を選べば分別を知らずにおこなったこととし無罪を意味した。モーセは天使の導きにより炭火の入った杯を手に取ったので無罪とされた。
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