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ホロフェルネスを殺すユディット 1620年頃
(Giudetta che decapita Oloferne)
199×162.5cm | 油彩・画布 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ) |
カラヴァッジョの作品から構想を得て、画家の生涯中に繰り返し描いた≪ユディットとホロフェルネス≫の物語から、特に白眉の完成度を見せるアルテミジア・ジェンティレスキの代表作『ホロフェルネスを殺すユディット』。本作の主題≪ユディト≫は、第二正典のユディト記(ユディト書)を典拠とした架空の物語で、アッシリア王ネブカドネツァルの命により、軍を率いて侵攻する将軍ホロフェルネスに近づき、酔いつぶれたところをユディトが斬首、自身の住むベツリアの街(ヘブライ語で神の家を意味する)を救う内容である。本作は、その最もドラマティックな斬首の場面を描いたもので、リアリティに富んだ写実性に加えエロティックでありながら暴力的な描写で、当時より極めて高い評価を得ていた。
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